こんな方におすすめ
- 自分(プログラマ)が世界でどのくらいの価値があるのかを知りたい
- 自分のスキルだと世界ではどのくらいお給料がもらえるのか知りたい
っていう広告ありましたね。プログラマのお給料って国によって全然違うので今回はプログラム言語別のお給料の違いを調査していきたいと思います。
さて、あなたが習得しているその言語、いくらの価値があるでしょう?
まずこれをご覧ください。
出典:StackOverflow https://insights.stackoverflow.com/survey/2020#technology-what-languages-are-associated-with-the-highest-salaries-worldwide-global
*文字が小さすぎるとつっこみがあったので文字起こししました。(Kは1000という意味です。76K = $76,000)
1 | Perl | 76K |
2 | Scala | 79K |
3 | Go | 74K |
4 | Rust | 74K |
5 | Ruby | 71K |
6 | Bash/Shell/PowerShell | 65K |
7 | Ojective-C | 64K |
8 | Haskell | 60K |
9 | Julia | 59K |
10 | Python | 59K |
11 | Swift | 58K |
12 | C# | 57K |
13 | R | 57K |
14 | TypeScript | 57K |
15 | Kotlin | 54K |
16 | SQL | 54K |
17 | Assembly | 53K |
18 | C++ | 53K |
19 | Javascript | 53K |
20 | HTML/CSS | 53K |
21 | VBA | 51K |
22 | C | 50K |
23 | Java | 50K |
24 | PHP | 39K |
25 | Dart | 37K |
全世界を対象にした言語別の平均年収です。ソースはStack Overflowなのでかなり信ぴょう性高いと思います。
Stack Overflowとは
技術者がコーディングで困ったときに参照する全米最大のプログラマ向けQAサイトです。このサイトには何度も助けられました。というかこのサイト無しでの仕事はあり得ません、というくらい世界的に市民権を得ています。
日本で言うとQiitaみたいな感じでしょうか。ただ規模が違います。言語が英語なので世界中のプログラマが日々困ったことをあげて誰かが回答いています。
困ったことをGoogleで検索するとほぼStack Overflow.comがヒットします。
それでは市場価値が高い言語ベスト3を見ていきましょう。
1位(同率):Perl
2020年10月現在、世界でいちばんお金になる言語はPerlです。$76K ≒ 年収760万円
わかります。でもこれは2020年10月現在のデータです。新しい言語ってかっこいいし、特集されやすいから世の中のシステムはもうその言語に置き換わっているような気にさせられますが、実情はそうではないということでしょう。
Perlの歴史って古いですからね。私自身何十年もシステムエンジニアをしていますが新入社員のころからあったし、あらゆる場面で先人が作成したPerlプログラムに遭遇していました。
会社が変わってもです。
ということで、新規プログラムこそなくても世の中にはPerlで作られたシステムが多数あってそれをメンテするプログラマが一定数必要だということです。
でも若い人がいまさら「よしPerlを学ぼう」とはならないと思うのでPerlエンジニアの数が足りていない。
あと若い人が学ばないということはPerlエンジニア自体の平均年齢も高いと思います。
Perlが高い理由(予想)
- Perlベースのシステムがそもそも多いがエンジニアの数と比例していない
- Perlエンジニアの平均年齢が高い
1位(同率):Scala
2020年10月現在、世界でいちばんお金になる言語の二つ目はPerlです。$76K ≒ 年収760万円
この順位は納得じゃないでしょうか。
Scalaはオブジェクト指向型言語と関数型言語のいいとこどりをしたプログラミング言語と言われています。Javaとの互換性を考えて作られているのでJavaのライブラリが使用できます。そのためJavaエンジニアがスライドしてくるパターンも多数あります。2000年代前半に開発されたといわれており、比較的新しいプログラミング言語にあたります。
イケイケのIT会社でも採用されていて、公表されているところではTwitter, Linkedin, Netflix, Tumblr, Foursquare, AirBnB がScalaを使用してサービスを運営しています。
また応用範囲も広く、Webシステム、スマートフォンアプリ、業務システム分野で使用可能です。この3分野で使用できるといえばほぼ全網羅なのではないかと思います。
これはやはりJavaとの互換性を考えて開発されたというところが大きく、JavaでできるところはScalaでもできると考えてもらえばよいと思います。
Scalaが高い理由(予想)
- Javaエンジニアがそのままスライドしやすい。(そもそもJavaエンジニアは高給取り)
- 開発効率がよい。ステップ数が少なくて済むので、短期間で多くのシステムの構築が可能=マネタイズ率が高い。
- 応用範囲が広いので求人が多い=需給バランス的に優位
2位(同率):GO
2020年10月現在、世界で二番目にお金になる言語はGOです。$74K ≒ 年収740万円
2000年代後半にGoogleにより開発された比較的新しい言語です。当然Googleが自社のシステムに使用することも考えられて作られているため大規模システムの開発で特に効果を発揮します。
大手IT企業でも採用されていて、有名どころだとGoogleの他に、Uber, Twitch, DailyMotion, Sendgrid, Dropboxなどが使用しています。
GoはCやJavaのようにコンパイルしてから使用するコンパイル言語であり、PHPやRuby, Pythonといったスクリプト言語より高速な処理が可能です。さらに自動並列処理が行われるため、環境によっては同じコンパイル言語であるCやJavaよりも高速実行が可能になります。
また大規模向システムで問題となるエンジニアによるプログラミング方法の”ゆれ”が少なくなるのもGOの特徴です。理由は構文が非常にシンプルになるようにできているため、そもそもバリエーションがでる要素がないからです。
GOが高い理由(予想)
- 処理が高速。システムのスピードはサービス品質の生命線なので重宝される。
- 誰がプログラムしてもあまり違いがでない。ローンチ後のメンテ費用を抑えることができるので初期開発費(プログラム費)が高くついても企業にとっては得。
2位(同率):RUST
2020年10月現在、世界で二番目にお金になる言語の二つ目はRUSTです。$74K ≒ 年収740万円
2000年代中頃にGraydon Hoare氏が開発し、現在はFirefoxブラウザでおなじみのMozillaが支援をします。応用領域の近さからGOと比較されることが多く、両社ともコンパイル言語である点から、処理の高速性が人気の秘密となっている。
多くの会社で採用されており、大手ではFacebookやAtlassianが使用してます。
メモリの扱いに定評があり、いかに安全にメモリを管理するかに重点を置いているため、コンパイル時に大量のワーニングやエラーがでることもあります。しかし逆に厳しいチェックを通過してコンパイルを通るとプログラムとしてかなり高精度のものができあがるため、プログラマには大変人気となってます。
GOが高い理由(予想)
- 処理が高速。システムスピードはサービス品質の生命線なので重宝される。
- メモリ管理が堅牢なプログラムが可能。シビアなメモリ管理が必要となる組み込み系のプログラムにも使用可能なため重宝される。
ベスト10圏外
残念ながら世界的に市長価値が低い言語にはPHP,HTML,CSS, Javascriptといったフロントエンジニア御用達の技術が名前を連ねています。
2020年10月現在で39K~54K ≒ 年俸390万円~540万円
ちなみにこれらの言語はブログや個人サイトを立ち上げるのに欠かせないWordPressを構成する技術です。
技術者の多さと習得難易度が低さが原因だと思います。フロント系=Webサイト構築などは、初心者でも入りやすく、見た目がある(ブラウザでページが表示される)のでバックエンド系=複雑な計算やビジネスロジックを受け持つ箇所の開発よりもやっていて楽しいです。(と、フロントエンジニアの私は思います)
そのためプログラミングの学校で教材に使われるのもこのあたりの技術が多いです。
また、見た目があるということはデザインとも密接にかかわるため、Webデザイナーさんもこの領域に入ってきます。
ということで人口密度が高いこの分野は供給側が不利となり、お給料が低くなるのだと思います。
PHP, HTML,CSS, Javascriptが安い理由(予想)
- 技術者が多いため、買いたたかれる
- ある部分ではデザイン分野の人も兼務できてしまう
まとめ
いかがでしたか?あなたの持っている技術はもうかる技術でしたか、それともあまりもからない技術でしたか?
もちろん同じ言語でも扱うシステムの複雑さや熟練度、会社自体の給与水準があるので一概には言えませんが、数万人の母数で統計をとった結果なので、平均値としては信頼できる数字だと思います。
数値を眺めていて気付いてしまったのですが、だいたい日本の水準に近いと感じます。日本で純粋にプログラマとして活躍するのって遅くても代替30台半ばまでで、そのあとはマネジメントに移っていくので単純なプログラマの指標で図れなくなってくると思います。
そういう意味だと純粋プログラマのピークである30代半ばを基準に考えると、大手と中、小を平均値するとだいたいこのくらいの年収なのではないかと思います。
残念ながらITの世界において、日本は決して高給なほうではないです。これは技術者レベルが低いというわけではなく、プログラマの評価が低すぎるためです。
全プログラマから そうだそうだー という応援の声が聞こえてきそうですね。
でも本当にそう思います。プログラマの給与を上げるためにはそのサービス自体の価格を上げる、付加価値をつける必要がありますが、日本人はそれが苦手です。一般的にはこれはプログラマではなく、マネジメントが考えるべき領域です。
なぜ一般的にはなのかというと、別にプログラマが会社をつくってもいいわけですし、プログラマが事業を起こしてもいいからです。
はい、このままだとそういう若者が増えてくると思います。
生活水準が高い日本では学ぶ機会や欲しい情報には比較的簡単にリーチすることができます。意思さえあれば、強い気持ちさえあれば世界のプログラマを凌駕する技術を身に着けることができる環境がそろっています。
ここまでお膳立てされているのにプログラマの給与が下がっていくなんて、正気ですか?という感じです。
自分は12年前に海外へ飛び出してしまったので、日本のプログラマを代弁するのはおかしな話ですが、もっとこうすればいいのに と思うことがたくさんあります。折を見てその分野も記事にしますね。
ちなみに、私が住むアメリカはプログラマの地位がとっても高いです。
こちらの記事を参考にしてみてください。
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アメリカ12年目。経験者は語る、アメリカでプログラマで食っていくために知っておくべきこと
続きを見る
今回は世界平均でプログラマ給与を見てみましたが、こんどはアメリカ平均のプログラマ給与を紹介しますね。たまげますよ。乞うご期待!!
ということで書きました!
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【言語別】アメリカのプログラマの年収は?1位はやはりあの言語!
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